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突然ですが、私は小説家では貴志祐介さんが1番好きです。

氏の作品で最初に読んだのは『青の炎』。一番好きな作品でもあります。どちらかというとこの『青の炎』が貴志祐介作品の導入になる方は少ないかと思います。大体の人は『黒い家』になるんでしょうかね。
当時中学3年だった私は、『青の炎』にどえらく感動し、以降単行本化されているほぼすべての作品を読むようになりました(実は『黒い家』だけ未読。理由は読む時期を逸した感があるというのと、先に実写映画の方を観て友人宅でとても微妙な雰囲気になったため)。

いきなり少し脱線。
結構前に、「ラノベ→小説に(読み手が)移行するのにちょうどいい作家」という話題のスレ内で、伊坂幸太郎さんの名前が挙がっていたのを見かけましたが、個人的には伊坂さんより貴志さんの作品の方がそれに向いているような気がします(そう言われることが作家にとって良いことかどうかは分かりませんが)
私がこう感じる理由の一つが、キャラクターの設定・立て方が妙にマンガ的に感じられることです。なのでオタ受けしやすいんじゃないかなと。
ホラー作品の場合それも薄れていますが、例えば先ほど挙げた『青の炎』。主人公の櫛森秀一は趣味が幅広く妙なことに詳しく(話の流れとは言え「最近の18禁ゲームは、泣けるんだぞ。知らないだろう?」とかに言ったりする。蛇足ですが『青の炎』の刊行は1999年)、話し方も「そんな言い方高校生はしないだろう」と感じられる言い回しでそれこそエロゲーの主人公みたいな感じ。

※すみません。かなり偏った見方をしているかもしれませんが、ご容赦を。

ヒロインはややツンデレ気味の美少女で、デートに上下白一色で決めた服で(あまつさえベレーのような変な帽子をかぶって)くるような女子高さらに主人公の妹は典型的なお兄ちゃんっ娘で、しかも実は血がつながっていないという始末。
…なんかこんなことばっかりピックアップすると、どんな小説なんだよと思われるかもしれませんが、いい作品なんですよ。とても。
他作品でも、人の感情を感じられるエンパス持ちの女性とか、表向き防犯ショップ店長だけど本職は泥棒の男&やや天然の美人弁護士のコンビとか、目の中に瞳が二つずつある強力な呪力使い(常時サングラス着用)とか。最後の人はSF作品ですけど。

…実際に読まないと伝わりづらいかも。
マンガ好きとかが好みやすいキャラ作りってことなんです、つまり。

少しどころではない脱線でしたが、そんな貴志祐介さんの最新の単行本『悪の教典』が先日発売されました。
3569cef3.jpg本作品は久々のホラーで、ピカレスクロマンも含まれているとのこと。
ということで、今回はこの作品の感想を(やっと本題になった)。
さらに、読み進めるごとにどう感想が変わるかを確かめるため、進行形で感想を書いていくことにします。今回は1~3章まで読んだ時点の感想。
はたして最終的にどんな感想にいたるのやら…。

※以後、作品内に触れる内容になるため、ご注意ください。



さて、まず帯から。
いきなり主人公が殺人鬼であることが書かれています。ピカレスクロマンと言うからには、主人公は悪者だとは分かるのですが、それをはっきり書いてしまっていいのだろうか。
表面は好青年をよそおった殺人鬼というと、吉良吉影が思い浮かびます。…好青年ではないか。
でも期待する主人公像はそんな感じ。

では1~3章まで読んでみての感想を一言で言うと、
「…んん~??」
です。なんだこの一言。感想と言っていいのか。

私が考えるピカレスクロマンというと、主人公が根っからの悪だけど、読者が「かっこいい」と思えるものや矜持を持っている大物なキャラで、ある種の爽快感のある作品というイメージ。そういったものを期待して読んでいるわけです。
『悪の教典』の主人公・蓮見聖司は高校教師で、生徒から慕われていますが心の中では学校を「自分の小さな王国」と称しています。頭が良く、人の感情を誘導するのに長け冷静にものごとに対処する姿は魅力的です。
…が、どうにも1~3章あたりまでではいまいち「かっこいい」と思えない。

自分のクラスのある問題児の行動が限界に来ているため排除しようと判断して、問題児自らが暴発するように仕向け、先生や生徒を利用しながら退学に追い込むのは良いとしても、自分が目を付けている女子生徒(複数いてすべて自分の担任クラスになるように仕向けている)のひとりと同意の上で関係を持った挙句、その女子生徒に言わせたセリフが「I am my teacher's pet.」

言わせんなよ、そんなこと!
どうせなら女子生徒自ら言うように仕向けろよ!(無理強いしたわけではありませんが)

読んでる時つい笑ってしまいました。

…なんなんでしょうね。女たらしのキャラ(蓮見はそういうわけではないけど)の露骨な性描写がされると急にカッコ悪く見えるのは。蓮見は普段好青年で冷静に立ち回るからこそ、余計に自分本位な性欲の発散のさせ方をされるとどうも…。その方面も紳士的であってほしいというか。
女たらしで外見はかっこいいけど、肝心なとこまでいかない(相手にかわされる)キャラはかっこいいと感じるんですけどね。うまくいかなくても全然めげずに、かっこいいような悪いような微妙なセリフを言える、もしくは本命はちゃんといますよってキャラ。

蓮見は色々知恵を働かせて、校内の人間関係の中でうまく立ち回っているのですが、な~んかまだ小物にしか感じられないんですよね。同じように表と裏の顔があるキャラということで比較すると、同じく貴志さんの作品の『硝子のハンマー』の主人公の一人、榎本径(先述の防犯ショップ店長兼泥棒)の方が好きです。
とりあえず4章以降から少しずつ蓮見の過去が具体的に書かれ始めるので、そういった部分と蓮見がどういう結末を迎えるのか、そこを楽しみにしながら読み進めていくことにしましょう。

他にここまでで気になったことと言うと、また同じようなことになるんですが、保健室にいる養護の田浦潤子先生の言動。読んだ方なら「あのシーンか」と分かるんじゃないかと。
この先生、美人で目がいつも少し潤んでいて目元に泣きぼくろ。ウェーブがかったロングヘアでブラウスに白衣。なんというか典型的な「マンガ・アニメの保険の先生」って感じなんです。
んで、「生徒に唇を奪われるという設定を好んでいた」という人。…おいおい。
うまいこと生徒に襲われるように誘いながら、そのシーン〆のセリフが、

「ここが苦しくって、保健室に来たんでしょう?だいじょうぶ。楽にしてあげるわ」

である。

…エロマンガかAVの見すぎだよ!!
んなこと言うかい!!


…まぁ、その…下品なんですが…フフ…勃起…しちゃいましたがね。

こんな描写ばっかりあげてますが、正直、印象に残ったのってこんなんばっかりで。あとはゲイ術家とか。いや、内容はモチロンそういう話ではないんですよ。ですが、感想として「…んん~??」という微妙なものにならざるを得ない。なんでそういう描写をしたんだろう?

はっきり言いましょう。
「まだ」面白くないです。「まだ」、と言っておきますよ。「まだ」3章なので。
あ、一言で言えるもっといい感想があった。
「なんつーか、変人教師ばっかりだな、この学校」。
良いのだろうかこんな感想で…。

新作が読めるという期待からの落差、ですかね。ちょっと今までの作品と違って、キャラに思い入れがわきません。実は私はピカレスクロマンが苦手なのだろーか?

次回は上巻が終わった頃に書こうと思います。
それでは、また次回。

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